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2013年3月31日 (日)

天寿の全う


昨日午後は、「田原ゼミナール vol.13」を開催しました。今回は、平成24年度 地域自殺対策緊急強化事業の基金を活用し「田原市自殺予防講演会」とし開催しました。ので、通常とは一味違ったゼミナールとなりました。

「自殺対策」という重く大きな問題・課題を、障害福祉分野が担うというのは、若干 違和感を持ちました。が、自死された方の多くは一要因ではなく多くの要因が重なり、もしくは様々な要因を経て、最終的に うつ病を発症もしくは うつ状態となり、自死に至っているという統計を頼りに、この3年 半田市トクヤマさんの多大な尽力のもと、うつ病を代表とする精神疾患の理解を深め、うつ病に「至る前に!」何らかの手立てで自死の選択をさせない。という考えで研修を重ねてまいりました。

結果。多くの自死は「病気が選択させる」ということ、そして「選択する状態に、私たちもなる」ということを学びました。



tahara seminar vol.13

〜「いのち」「絆」を考える〜 みとりびと

写真家・ジャーナリスト 國森康弘 氏


天寿の全う


今回の予防講演会は、自死を選択しないために、田原市民一人一人が「自身の命」の重さ、尊さを知ることで、また、どう産まれ、どう育まれ、どう生き、そして どう看取られるのが「人としての本分」であるかを知り、自分たち自身が自死を選択しないことを学ぶため、國森さんのジャーナリストとして、また写真家としての活動の証「いのち」、「絆」の尊さを「看取りをテーマにした数百枚の写真と、訥々とした語り(言霊)から知る機会としました。



いつもより暗く設定した会場は、過去にないほど静まり返り、参加者がどれほど引き込まれているかを安易に知ることが出来ました。

講演の半ばほどから、会場中には参加者の すすり泣く声が響き続けました。それぞれが、それぞれに思うことがあり、思い出すことがあり、そして「命」の尊さを知ったのだと思いますし、この あらい自身も その一人でした。





あらいは。看取りの瞬間に「ありがとう」と言える、「ありがとう」と言われる、そう、天寿を全うする生き方そのものが「人」であること。そして、その「絆」を持つことが「人」であることを学びました。



講演を終え会場に灯りを入れると、多くの参加者の目が潤み、目の周りは赤く腫れた感じになっていました。これもまた あらい自身も その一人であったことは言うまでもなく。興奮というか、なんとも表現のしようの無い気持ちの高ぶりを抑えられないまま、第二部のシンポジウムに突入しました。



「いのち」「絆」を考える 〜まちづくりの視点から〜

実は。ここへの登壇をお願いする方については、事務局で相当 議論しました。どなたにあがって頂けば國森さんから伝えられた「いのち」「絆」の尊さの理解を深めることが出来るのか、様々な職責の方々あがりました。貧困を支える者か、自死遺族の方か、県自殺対策担当者等々。

結果は、「「まちづくり」は「ひとづくり」であるという観点から教育分野から大草小学校 鬼頭教頭先生。うつ病から自死の選択へと進ませない最前線、精神科医療の現場から可知病院 佐藤大介精神保健福祉士。そして市民のデッドラインを背負う行政からは障害福祉G 継ぐ者山本さん。というメンバーに、アドバイザーに國森さん、コーディネートを あらいが務め、まちづくりの視点から「いのち」「絆」の尊さの理解を深めました。

ただ、残念だったのは。地域福祉を担う田原市社協 中西さんが急な体調不良で参加が叶わなかったこと。中西さんご自身も、打ち合わせの段階から気合いを入っていて下さっているのを確認していましたので、残念さも半端なく。



シンポジウムは。まず、継ぐ者山本さんから田原市の自殺の実情と この3年間にわたる田原市の自殺対策の取り組みと方向性について。あらいも一緒に苦悩してきたものがリアルに蘇りましたし、また簡潔に、しかも解りやすくまとめられた資料に「腕、あげはりましたなぁ。」を実感しました。





続いて。佐藤精神保健福祉士からは専門家らしく国レベルでの実情から「うつ病」の正しい理解、そして これまた専門家らしく「支援・対応」について、丁寧に作成された資料に基づいて。資料は、淡々と語る佐藤さんとは対象的に「劇熱」なものでありました。

鬼頭教頭先生は、ご自身が養護教員から教頭先生までになられた、県内でも7人しかみえない、というな珍しい経歴の持ち主でして。その鬼頭教頭先生が熱心に取り組んでいる「いのちの教育」の一端を ご紹介下さり、我らに「命」についてお話下さいました。



その後も、それぞれの立場で感じる いのちと向き合う思いや、絆を紡ぐ実践についてお話を頂きました。詳細は。國森さんの講演もそうですが、あらいごときではお伝えする術を持ちません。あらいごときでは安っぽくなることは間違いなく。

あらいは、どんな立派な方の統計に基づいた自殺対策のお話よりも、このお三方と國森さんのような現場感というか、熱というか、生々しさが、自死を選択しない、させないに繋がると考えた事務局は間違っていなかったことを実感し、このゼミナールは成功であったと確信しました。


天寿の全う


そして もう一つ。あらいの目の前にある風景は。左手側には恋うてお招きしたジャーナリストと教育、医療、行政がシンポジウムに。参加者には一般参加の方や民生委員さん、当事者団体、教育委員会。「チーム白井」BOSSを筆頭に地域福祉課フルメンバーに高齢福祉課 宮川課長ら、子育て支援課 小久保副さん。勿論、総合相談センターもフルメンバーで。

5年前。田原市でお世話になることが決まった時に、夢みた風景が広がっていました。涙を堪えるのに必死な自分がいました。




で。いつものように反省会という更なる学びの時間へと。

國森さんはじめ 鬼頭教頭先生、佐藤さんもご参加下さり、あらいの力不足ゆえ時間内に お聴き出来なかった お話を、より具体的に、よりフランクにお話下さいました。皆さん「いのち」と密接に関係する職責を持つ方ばかりですから、深く、そして厳しい内容ばかりでしたが、聴く我らもまた同じ職責を持つ者ですから、真剣に、必死に聴き、学びました。


天寿の全う


そして、佐藤さんの医療の現場で苦闘する姿から、この教育、医療、行政、福祉が少しずつ自分が出来ることから一歩、半歩踏み出し(はみ出し)、重なり合う面を広げて、支えてである我らこそネットワークというものではなく、絆とすることを確認しあう時間となりました。



この深く、難しいテーマでの学びの一日に、あらい自身、力不足を痛感するばかり、そして不勉強を恥じるばかりの一日となりました。

ただ。この難しいテーマの研修と、3年間一緒に取り組んできた継ぐ者山本さんが、シンポジウムに参加してくれていたことで、楽になったことと。ずーっと あらいを陰に日向に支えてくれている熱血柴田さんから「難しいテーマ。よぅ、頑張りはりました。」と真顔での労いの言葉に救われた、そんな一日でした。

そしてそして。田原市では天寿を全うすることなく、「ありがとう」を言うこなく、言われることなく亡くなっていく方がいなくなるような、そんな「まちづくり」をするのだ、それこそが遠路お越し下さった國森さんに対する感謝の気持ちを表する、唯一の方法であると強く、強く思った一日となりました。


天寿の全う


arai

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